2025年11月10日

コミックスレビュー追加

「鬼殺しの我道再演」
雪山しめじ・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★
特殊能力が一般的になった世界で、悲劇を回避するために記憶を保持したまま過去に戻ってやり直しをする青年の物語。
記憶を活かして悲劇を回避することも出来るが、出来ないこともある、というのが示された辺りまではよかったが、その後は割と普通の異能力バトルものになってしまい、最後は打ち切りだった。
絵は上手かっただけに、残念。

「怪異の掃除人・曽根崎慎司の事件ファイル」
八橋はち・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
警察の手に余る怪異事件を解決する青年の話。
絵でしか表現できない部分でちゃんとヒントを出していることで、コミカライズしていることの意味がちゃんと分かるようになっているのがいい。
いい意味で怪異の気持ち悪さもあり、引き込まれる。
話は若干わかりにくい。

「Q.E.D. UNIV.」
加藤元浩・講談社(月マガ基地)
★ ★ ★ ★
上記作品の続編。
主人公がMITの修士課程に進み、ヒロインがハーバード大学に入学するところから始まる。
舞台がアメリカになったことで、これまでとは少し違う話になっているが、基本は同じ。
前作が好きなら読み続けていい。

「腐れ縁ほど切り難い」
陽東太郎・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
人と人との腐った縁を切る縁切りやの物語。
作中には縁結びやも登場し、人と人との縁とはどんなものなのか、というのを改めて考える機会になる。
話の結末も納得できるものが多く、サクサク読める。

「復讐は合法的に」
和サン・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
弁護士資格を持ち、多額の金を払うことで復讐を代行してくれる人の話。
扱うテーマは割とよくあるものなのだが、絵が上手く、読んでいて素直にスカッとできる。
話にもそこまで都合の良さはなく、でも実際にやろうと思っても出来ないだろうというラインを保っているのがいい。

「みいちゃんと山田さん」
亜月ねね・講談社(シリウス)
★ ★ ★ ★
山田さんが働くキャバクラに、頭も要領も悪いがどこか放っておけないみいちゃんが入って来る。
1年後に殺されることになるみいちゃんと山田さんの交流を描いた話。
発達障害グレーゾーンの話なども入っていて、見た目よりも内容が社会派な部分があるが、そこがいい。
続きが気になる引きが強いので、一気に読める。


差し替え作品

「美しいばけもの」
山本夜子・全3巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★
黒い肌に白い髪という特異な容姿をしていたため村人から虐待されていた少年が、ある日生贄として巨大な赤い狼に捧げられる。その狼に助けられた少年が、狼と共に旅に出ることになる。
第1話が漫画大賞受賞作の連載化バージョンなので、第1話の出来はかなりよい。
ただ、その後の展開は尻すぼみな感じで、最後も打ち切りで終わってしまった。
設定を上手く消化できなかった印象。

「Q.E.D.iff」
加藤元浩・全30巻・講談社(マガジンR)
★ ★ ★ ★
上記作品の続編。
タイトルが変わっても、登場人物たちが進級したりはしていない。
実質1巻が前作の51巻目のような感じなので、前作が好きならそのまま読み続けて問題ない。
終盤は事件と並行してアメリカのハーバード大学に留学するための話が始まり、高校卒業まで話が進む。
その辺りの話が始まってからの方が面白く読める。

「ごっどくん」
兎乃心・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
子役として活躍する少女は、CM撮影の際に誤って死んでしまうが、ごっどくんという神に助けられで不老不死となり、人の精神を赤ちゃんにまで戻す・記憶そのままに姿だけ赤ちゃんに戻す、という能力を得る。
今まで大人によって人生を左右されてきた少女は、その力で大人に復讐することを決める。
サスペンス風味のある復讐もので、単純に読んでスカッとしたい人向け。
復讐の過程は理に適っていると感じられるものが多く、そこまで都合の良さを感じないのがいい。
最後の方の展開は多少強引ではあるが、主人公が能力を失うまでをちゃんと描かれていて、きれいに完結している。

「願いのアストロ」
和久井健・全6巻・集英社(ジャンプ)
★ ★
1人の実子と12人の養子を持っていた世剣組の組長が死去。跡目争いが起こる中で地球に隕石が降り注ぎ、生き残った人たちは自分が望んだ特殊能力を得た。13人の子供たちはその能力で誰が跡目を継ぐのかを争い始めた。
「東京リベンジャーズ」の作者による作品なので、戦闘シーンや不良たちの描き方などはやはり上手いな、と感じる。
ただ、登場人物が多く、全体的な掘り下げが浅い。
最後は打ち切りで話がきれいに終わらず残念。
コミックスでは、平和になった後の後日談が読める。
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2025年04月05日

コミックスレビュー追加

今回の追加はそこまで多くないです。

「あさりちゃん inパリ」
室山まゆみ・全1巻・小学館(描き下ろし)
★ ★ ★
単行本未収録作品、作者のパリ旅行記、描き下ろし作品がおおよそ同割合で収録されている。
全体的にエッセイ多めなので、作者のエッセイが好きなら買って損はない。
タイトルからして浜野一家がパリを旅行する話に見えるが、実際そうではないところにだけ注意。

「アベルと魔界の王」
野原もさえ・全2巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★
王妃である母親を魔族に誘拐された第2王子が、魔族と契約して母親を助けるために魔界に向かう。
第1話の人間界での話は割と読み応えがあったのだが、魔界に入ってからの展開が普通すぎて残念。
最後も完全な打ち切りの終わり方で、謎解きもほぼなかった。
作者が好きでも避けた方がいいかも。

「オバイケ未来案内所」
高瀬飛鳥・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
未来を見ることができ、依頼人の望む未来に導く女性と依頼人たちのオムニバスストーリー。
依頼人が望むことであれば、それが第三者視点で不幸であろうとなんだろうと依頼を全うする、という主人公のスタイルがいい。序盤は割とよくある話が続くものの、それ以降は珍しい感じの話もある。
「笑ゥせぇるすまん」「世にも奇妙な物語」系統の話が好きな人におすすめ。

「祝福のチェスカ」
乃原美隆・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
様々な国の王族が集まる学園に、世界中の人たちが持つ超能力を持たない種族の王子が入学してくる。
全ての言語を扱える少女が王族たちの間を取り持って会議を始めるが、その会議中に全て人が超能力を使えなくなってしまう。
人が持つ差別意識についていろいろ考えさせてくれる作品で、主人公が非常に聡明でありつつも嫌味がないので、楽しく読める。読んでいてスカッとするところがあるのもいい。

「となりの席のジェームズくん」
yutaka・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
人前でほとんど話すことのできない少女と、英語しか話せず、日本語がほとんどわからない少年がクラスで席が隣になったことで、少しずつ交流していくことになる。
序盤は主人公の少女にイライラするところもあるのだが、少女なりに努力しているところが見えたり、自分勝手な男子と臆することなく話し合うなど、自分の努力で環境を良くしていくところがいい。
ちょっとしたアメリカの風習的なものがわかるところもいい。

「変な絵」
相羽紀行・双葉社(描き下ろし)
★ ★ ★ ★
WEB上に残されたブログと謎の絵から、絵が示す真相を探る話。
「変な家」(上記参照)と同じ原作者による作品なので、「変な家」が好きなら間違いなく楽しめる。
下手に引っ張ることがなく、話のテンポもよく、絵も上手く、読みやすい。

「Ubel BlattII」
塩野干支郎次・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★ ★
上記作品の続編。
グレンとの戦いから1年後、新体制で国を治めていたが、グレンを復活させようとする人々が現れる。
前作がきれいに完結しているだけに、蛇足にならないかという心配はあるのだが、序盤を見る限り、キッチリ面白い。
前作の人気キャラが軒並み出てきているし、ストリーもしっかりしている。

差し替え作品

「最高の推しの見つけ方」
茅原ミハシ・全3巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
女装男子の配信者を激烈に押していた少女が、実はその推しがクラスメイトだと知って、2人の少し変わった友人関係が始まる。
主人公の少女が、推しに関して女装している姿と普段の姿とを完全に別物だと考えていて、推しは推しでお金を惜しみなくつぎ込むけれど、普段の姿にはミリも興味を持っていない、という部分がいい。
脇役も個性強めなキャラが多いので、それなりに楽しく読める。
最終的には推しが彼氏に……という流れになってしまうものの、きれいに終わっている。

「ひぐらしのなく頃に令 色尊し編」
夏海ケイ・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★ ★ ★
「鬼熾し編」「星渡し編」の解答編。
問題編のときよりも昭和時代の登場人物が多く登場するので、本編を知っている人は懐かしく読める。
本格的な謎解きは2巻以降になるが、出し惜しみすることなく出てくるので、吸引力は強い。
話としてそこまで長引くこともなく、きれいに終わっている。

「魔王様はあいまで知りたい。」
益田学昭・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
勇者の到着を待つ魔王城にて、両想いだけどお互いにビジネスライクでしか接することのできない魔王と秘書・エレナのやり取りを楽しむ話。
設定は割とよくあるものなのだが、本音と建前の間で揺れ動く2人の様子は素直に楽しめる。
魔王が骨状態であるところがいい。
話としてそこまで長くなることもなく、いい時期にキッチリきれいにハッピーエンドで終わっているので、読後感もよい。

「竜の花嫁お断り」
イロノ・全5巻・Gファンタジー(スクウェア・エニックス)
★ ★ ★
竜の血を引いているためそこまで強くはないものの特殊な力を持つ少女が、幼馴染の青年を助けるため封印されていた竜を解き放ってしまう。竜は青年の体に取り憑き、少女に全ての封印を解くよう要求してくる。
一見すると和風ファンタジーだが、実際は西洋の妖怪的なものも割と出てくる。
話としては割と王道な感じで、やや個性に乏しい。
最後はきれいに謎解きも終えているので、読後感はよい。
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2024年11月06日

コミックスレビュー追加

今回は新作が割と多めでした。

「俺より弱いやつに会いに行く」
押切蓮介・全1巻・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★ ★
作者が「ストリートファイター6」を買ってからランクマに参加し、心折れそうになりながらも少しずつ成長して大会に出るまでの話。
「ストリートファイター6」のことをよく知らなくても、細かく解説が入っているので、何となく知っている程度で結構面白く読める。MRが1200を切ると誰に見られているわけでもないのに後ろ指さされている気持になる、など実際に体験した人でないとわからないエピソードがあるのがいい。

「教育虐待‐子供を壊す「教育熱心」な親たち」
ワダユウキ・新潮社(くらげバンチ)
★ ★ ★ ★
児童虐待が問題になってきているが、教育虐待については熱心な親として見逃されがちになっている。その実態を取材した原作をコミカライズした作品。
本当にこういう親がいるのかな、と思ってしまうくらい内容は結構えぐい。ただ、教育虐待された子はスマホやパソコンを禁止されていたので手紙しか伝達方法を知らないなど、納得できるだけのリアリティもある。
知らず知らず教育虐待に陥ってしまう過程なども丁寧に描かれているので、特に中学受験を経験した人におすすめ。

「京兼家の花嫁」
日野杏寿・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
最強の退魔師の家に生まれ、事実最強と言われている少年に結婚の話が舞い込む。最初は拒否するも、嫁の人柄に惹かれて結婚を決めるが、その過程で嫁が九尾に取り憑かれてしまう。
いい意味で話が二転三転する作品で、読んでいて飽きさせない作りになっている。
絵も上手くて読みやすい。

「コーセルテルの竜術士 子竜冒険記」
石動あゆま・一迅社(ゼロサムオンライン)
★ ★ ★
上記作品の続編。
少年竜となった子竜たちが、いずれ竜の国を出るために、マシェルの元から離れて竜たちだけで旅に出る。
かつて出会った人たちと再会したりするところから、留守番組は留守番組でスポットが当たる話もあり、登場人物たちの行動範囲がいろいろと広がっている。
最終的にマシェルの故郷に行く、という目標があるので、そこまでは描いてほしいところ。

「ごっどくん」
兎乃心・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
子役として活躍する少女は、CM撮影の際に誤って死んでしまうが、ごっどくんという神に助けられで不老不死となり、人の精神を赤ちゃんにまで戻す・記憶そのままに姿だけ赤ちゃんに戻す、という能力を得る。
今まで大人によって人生を左右されてきた少女は、その力で大人に復讐することを決める。
サスペンス風味のある復讐もので、単純に読んでスカッとしたい人向け。
復讐の過程は理に適っていると感じられるものが多く、そこまで都合の良さを感じないのがいい。

「それでも、親を愛する子供たち」
うえのともや・新潮社(くらげバンチ)
★ ★ ★ ★
児童養護施設を舞台に、そこに預けられた子供たちの家庭事情や日常を描いた作品。
ネグレクトなどの虐待を受けて児童養護施設に預けられるも、夜になると親が恋しくて泣く子供など、実態がリアルに描かれている。
コミカライズ版「子供を殺してくださいという親たち」(カ行参照)の原作・作画の2人が原作・構成を担当しているので、この作品が好きなら間違いなく楽しめる。

「願いのアストロ」
和久井健・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
1人の実子と12人の養子を持っていた世剣組の組長が死去。跡目争いが起こる中で地球に隕石が降り注ぎ、生き残った人たちは自分が望んだ特殊能力を得た。13人の子供たちはその能力で誰が跡目を継ぐのかを争い始めた。
「東京リベンジャーズ」の作者による作品なので、戦闘シーンや不良たちの描き方などはやはり上手いな、と感じる。
ただ、登場人物が多いので、それを把握するのが序盤は割と大変。

「方舟」
悠木星人・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★ ★ ★
偶然見つけた地下施設を探検するためにやってきた7人の大学生と、たまたま施設を訪れた3人の親子。
紆余曲折を経て施設で一泊することになったが、突然の地震で施設内に閉じ込められてしまう。脱出するには1人だけ施設に残ってとある装置を動かさないといけないが、施設は浸水によって数日後に水没してしまう。誰が残るのかを決めかねる中で殺人事件が起こり1人の死者が出る。果たして残された9人はどうなるのか、という話。
原作があり、最初から終わりが決まっているため、話の進むペースや伏線等々キッチリしていて、安心して読める。
話の引きもよいので、一気読みに向いている。
唯一、絵がそこまで上手くないのが残念。

「プレゼントでできている」
矢部太郎・全1巻・新潮社(週刊新潮)
★ ★ ★ ★
作者の矢部太郎さんが今までにもらったプレゼントについて描いたエッセイ。
いろいろと珍しいものを貰っているので、それについどう思っていたのかなど、楽しく読める。
作者が「電波少年」でやっていた企画を知っていて、「大家さんと僕」(ア行参照)「僕のお父さん」(ハ行参照)を読んでいるとより楽しめる。大家さんが出てくる度にしんみりする。

「魔王様はあいまで知りたい。」
益田学昭・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
勇者の到着を待つ魔王城にて、両想いだけどお互いにビジネスライクでしか接することのできない魔王と秘書・エレナのやり取りを楽しむ話。
設定は割とよくあるものなのだが、本音と建前の間で揺れ動く2人の様子は素直に楽しめる。
魔王が骨状態であるところがいい。

「魔法使いの嫁 断片集」
ヤマザキコレ・ブシロードワークス(Blu-ray特典小冊子)
★ ★ ★
アニメのBlu-ray特典小冊子に掲載されていた短編を改めて1冊にまとめたもの。
本編の内容を補完する形の話なので、上記作品が好きなら買って損はしない。
ただ、本編を知らないと話としては全く分からなくなってしまう。

「龍神の娘」
越田うめ・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
龍神に育てられた少女が、かつて龍神に育てられた少女の息子と出会い、巨大な呪いを受けてしまう。
その呪いを祓うため、少女は旅立つ。
1巻の巻末に掲載されている0話の出来が非常によく、本編はそれに続く物語となっているので、序盤の引きは非常に良い。
ただ、話の進むペースが遅いので、今後が少し心配。


差し替え作品

「貧乏令嬢の勘違い聖女伝~お金のために努力してたら、王族ハーレムが出来ていました!?~」
遊行寺たま・全4巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
貧乏貴族に生まれ育った少女は、生活苦から冒険者として旅に出るが、実力不足で死亡してしまう。
しかし、目を覚ますと時間が巻き戻っており、もう1度人生をやり直すことになる。
時間が巻き戻る前の失敗を教訓として、新しい人生を謳歌していく話。時間が巻き戻るのは1回だけで、転生とはまたちょっと違うところが上手いと思う。
タイトルにある王族たちはポンポン出てくるわけではないので、話の進み方に都合が良すぎると感じる部分がないのもよい。
絵は上手いので読みやすい。
話としては原作小説1巻分のところで終わっており、今後の展開がいろいろ丸投げ状態だったのは残念。
タイトルにある王族ハーレムが出来上がる前に終わってしまっているのも残念。

「ぼくとミモザの75日」
鬼山瑞樹・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
ヤクザの父親に虐待されて学校にも行けていない少年の下に1人の女性が世話係として現れる。
ミモザと名乗ったその女性は殺し屋で、少年の父親を殺してしまう。ミモザに対して家族的な感情を持ち始めていた少年はミモザと共に逃げ出し、逃亡生活を送ることになる。
逃亡生活中のストーリーは緩急ある作りになっていて、バランスも良い。
最後はいい意味でのバッドエンド仕様で、この作品の終わりに相応しいと感じられた。

「恋愛自壊人形恋するサーティン」
鍵空とみやき・全4巻・ガンガンJOKER(スクウェア・エニックス)
★ ★
人のために作られ、自立思考する人形は恋をすることを禁じられていた。
しかし、人形が最終調整のために通う学校で人形たちは全員誰かに恋をしていた。
序盤はややギャグテイストで進むが、途中から少しずつ不穏な空気になっていく。
ただ、話のピークは1巻の最後で、以降は登場人物たちの自問自答が続いていくだけで、話もあまりきれいには終わっていない。
「ハッピーシュガーライフ」(ハ行参照)を求めると、中盤からちょっと違うと感じるようになってしまう。

「賭ケグルイ双」
斎木桂・全15巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
上記作品のスピンオフ作品。
上記作品は主人公が高校2年生だが、本作はクラスメイトのサブキャラ・早乙女芽亜里が1年生のときの話となっている。
本編主人公の夢子が運にも頼るのに比べて、芽亜里は徹底した合理主義者で確率的に分のいいものを取っていくところが差別化されている。
絵柄も本編に近いものがあり、違和感なく読める。
一応、2年生に続いていく形で完結したが、作中で描かれたのは1年生の7月くらいまでで、9ヶ月分くらいまるっと存在しない。最終決戦の終わり方もちょっと微妙だった。
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2024年05月06日

コミックスレビュー追加

今回は期間が開いた割に新規少なめでした。

「最高の推しの見つけ方」
茅原ミハシ・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
女装男子の配信者を激烈に押していた少女が、実はその推しがクラスメイトだと知って、2人の少し変わった友人関係が始まる。
主人公の少女が、推しに関して女装している姿と普段の姿とを完全に別物だと考えていて、推しは推しでお金を惜しみなくつぎ込むけれど、普段の姿にはミリも興味を持っていない、という部分がいい。
脇役も個性強めなキャラが多いので、それなりに楽しく読める。

「ないない堂」
加藤元浩・講談社(月刊マガジン)
★ ★ ★
東京で弁護士を目指していた青年だったが、2度目の司法試験不合格をきっかけに、祖父の後を継いで僧侶になる。寺のある田舎の町で「ないない堂」という失せ物探し専門店を経営する少女と出会い、町で起こる様々な失せ物事件を解決していくことになる。
基本的にやっていることは「Q.E.D.」(カ行参照)「C.M.B」(サ行参照)と似ていて、失せ物探しにスポットが当たっているものの、殺人事件も起こる。前半に問題編、後半に解答編が掲載されているのも同様。
作者の作品が好きなら無難に楽しめる。

「光が死んだ夏」
モクモクれん・角川書店(ヤングエースUP)
★ ★ ★ ★ ★
とある田舎の山で1週間行方不明になり、その後帰還した親友が別の何かと中身が入替っていることに気付いた少年が親友に問いただすと、本当に人外生物と入替っていた。そして、村の中で殺人事件が起こり、少年は親友と共に村の秘密を少しずつ探っていくことになる。
冒頭の掴みがものすごくよかったことに加え、田舎の描写や擬音の表現など、絵でしっかり見せてくれる。
見えない敵へのじわじわとした恐怖もいいし、クラスメイトとの他愛無いやり取りで緩急をつけてくれるのもいい。
話の引きも非常にいいので、読む手が止められなくなる。

「ひぐらしのなく頃に令 色尊し編」
夏海ケイ・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★ ★ ★
「鬼熾し編」「星渡し編」の解答編。
問題編のときよりも昭和時代の登場人物が多く登場するので、本編を知っている人は懐かしく読める。
本格的な謎解きは2巻以降になるが、出し惜しみすることなく出てくるので、吸引力は強い。


差し替え作品

「57人の遺産相続人」
夢路行・全2巻・エレガンスイブ(秋田書店)
★ ★ ★
とある大金持ちの老人が生前関係のあった人たち57人にそれぞれ別の遺産を残した。その遺産を渡すように頼まれたスナックを経営する3人の女性と遺産相続人たちの物語。
渡される遺産はそれぞれ謎めいていて、なぜその遺産が選ばれたのか?、というのを解明していく話がオムニバス形式で語られていく。
オチにちょっとした捻りがあったりもして、各話割と面白く読める。
中には結末がはっきりしないような話もあるが、それも味になっている。

「一ノ瀬家の大罪」
タイザン5・全6巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
ある日病院で目覚めると、少年は自分が記憶喪失であることに気付く。しかも、その場にいた家族5人も全員記憶喪失だという。自分の過去に触れるうち、少年は家族の中の様々な秘密や謎に触れていくことになる。
最初は失くした自分の過去に向き合う話になっているのだが、そこから話は様々な方向へと向かって行くので、いい意味で先が見えない展開になっていっている。
コミックスで1巻進むと全く別の話になっていたりするジェットコースター的な展開が多い。
終盤はやや設定が混み合ってきてわかりにくくなる部分もあるが、それなりにきれいに完結している。
posted by minerva at 13:15| Comment(0) | 漫画全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月07日

コミックスレビュー追加

今回は購入していたことを思い出した作品のレビューも追加しています。

「あさりちゃん 5年2組」
室山まゆみ・全1巻・集英社(描き下ろし)
★ ★ ★
5年生になったあさりの日常が描かれている。
新たな担任の先生、中学生になったタタミなど、本編の少し後の話が読める。
基本的に4年生だったあさりを知っていること前提ではあるが、知っているといろいろな変化が楽しめる。

「あさりちゃん リベンジ」
室山まゆみ・全1巻・集英社(描き下ろし)
★ ★ ★
5年生になったあさりが幼稚園時代にタイムリープして、なぜいばらと犬猿の仲になったのかの謎を解く。
その他、描き下ろしやコミックス未収録の作品も多く、再録作品も作者の解説付きで楽しめる。
初期の頃から本作を知っている人向けではあるが、全体的に割と楽しめる。

「一ノ瀬家の大罪」
タイザン5・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
ある日病院で目覚めると、少年は自分が記憶喪失であることに気付く。しかも、その場にいた家族5人も全員記憶喪失だという。自分の過去に触れるうち、少年は家族の中の様々な秘密や謎に触れていくことになる。
最初は失くした自分の過去に向き合う話になっているのだが、そこから話は様々な方向へと向かって行くので、いい意味で先が見えない展開になっていっている。
コミックスで1巻進むと全く別の話になっていたりするジェットコースター的な展開が多い。
ミステリー好きな人にも向いている作品。

「美しいばけもの」
山本夜子・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
黒い肌に白い髪という特異な容姿をしていたため村人から虐待されていた少年が、ある日生贄として巨大な赤い狼に捧げられる。その狼に助けられた少年が、狼と共に旅に出ることになる。
第1話が漫画大賞受賞作の連載化バージョンなので、第1話の出来はかなりよい。
その後の展開はまだ何とも言えない部分もあり、話も割と手探り感が強い。
絵が気に入ったなら読むのもアリ。

「獄卒クラーケン」
タカヒロ・戸流ケイ・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★ ★
突然異世界に紛れ込んでしまった青年が瀕死になったところでクラーケンと融合することになり、イカの能力を得て、刑務官として勤める監獄から1人の女囚を救い出そうとする話。
原作のタカヒロさんが様々なゲームや漫画の脚本や原作を手掛けているだけあって、キャラの作り方や話の初期設定はさすがに上手いな、と感じる。
掲載誌が青年誌寄りなので、全体的にエログロ多め。
同じ原作・作画の「アカメが斬る!零」(ア行参照)を予想しているとちょっと面食らうかも。

「Colori Colore Creare」
天野こずえ・マッグガーデン(MAGCOMI)
★ ★ ★
急こう配の場所にあり、のれんで囲まれた街で暮らす幼い少女と保育士の交流を描いた作品。
序盤は世界観がわかりにくく、作者の頭の中だけで話が展開している感じがするが、2巻以降くらいになってメインキャラが揃ってくると、幼い子供たちとの交流物語として割り切って読めるようになる。
絵は背景までかなり描き込まれているので、見開きの景色などがきれい。
幼女・ファンタジー・絶景好きならハマれるかも。

「四百四鬼」
もち・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
蟲を使って人から生命力を奪い取る鬼と戦う桃太郎とその一行。
鬼に敗れた桃太郎が力を癒すために眠りにき、現代になって目を覚ますと、ほとんどの力を失ってヒヨコの姿になっていた。
ギャグとシリアスのバランスがいい作品で、何かにつけてヒヨコになった桃太郎がいい味を出している。
設定もしっかりしているしキャラも立っているので、作者の別作品が好きなら買って損はしない。

「堕イドル」
ガクキリオ・山口アキ・全2巻・講談社(別冊マガジン)
★ ★
堕ちたアイドルとして孤島に集められた50人のアイドル達によるデスゲームの話。
各ゲームの設定や攻略方法など、理に適っていてなかなか読み応えのある話だったのだが、3回戦の途中で打ち切りとなってしまい、何の結末もわからないまま終わってしまっていた。
最後まで連載が続いていれば、良作になっていたかもしれない。

「変な家」
綾野暁・一迅社(ピッコマ)
★ ★ ★ ★
オカルトフリーライターの女性が、知り合いから家の購入について相談を受ける。見せてもらった間取りには様々なおかしい点があり、その家についていろいろ調べ始めることになる。
非常に引きの良い作品で、読み始めたら続きが気になって仕方がない程の吸引力がある。
内容的に荒唐無稽に思えても、実際あり得るかも、と思わせてくれる。
ホラーが好きな人にもおすすめ。

「ぼくとミモザの75日」
鬼山瑞樹・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
ヤクザの父親に虐待されて学校にも行けていない少年の下に1人の女性が世話係として現れる。
ミモザと名乗ったその女性は殺し屋で、少年の父親を殺してしまう。ミモザに対して家族的な感情を持ち始めていた少年はミモザと共に逃げ出し、逃亡生活を送ることになる。
タイトルの通り既に終わりが決まっている前提で話が始まっているので、ある意味安心して読める。
逃亡生活中のストーリーは緩急ある作りになっていて、バランスも良い。

「ぼけ日和」
矢部太郎・全1巻・かんき出版(描き下ろし)
★ ★ ★ ★
認知症になってしまった本人、その家族、担当医師の交流を描いた作品。
物盗られ妄想は一番頼りにしている人に対して出る、など認知症になると実際にどういう症状が出るのか、家族はどう接したらいいのか、認知症についていろいろ学べる作品。
少しおかしいことが続いたら医者に行って早い段階で薬に頼った方が、結果的に家族も本人も楽になるなど、目からうろこの情報も多い。
認知症を知るための最初の1冊になる作品。

「有害都市」
筒井哲也・全2巻・集英社(ジャンプ改→となりのヤングジャンプ)
★ ★
有害図書の規制が厳しくなった近未来が舞台。
ギリギリを攻めた新連載でヒットを確信していた漫画家の青年だったが、表現規制のせいで連載初回が掲載された雑誌が回収に追い込まれてしまう。表現規制と描きたい作品との狭間で苦悩する漫画家の物語。
作中で規制に引っかかると言われている表現は現代ではごく普通に存在するもので、もし本当にこんな規制がかけられてしまったら、というのを読者に問いかけるような内容になっている。
掲載誌移動の影響か、あまりきれいな終わり方になっていなかったのが残念。

「予告犯-THE COPYCAT-」
小幡文夫・全3巻・集英社(ヤングジャンプ)
★ ★
上記作品のスピンオフ作品。
本物のシンブンシたちに影響を受けた模倣犯たちの物語。
本編との繋がりは、新聞紙を仮面代わりにして私刑を行う若者たちの物語、という部分だけなので、内容的にはほぼ別作品。本編よりもエログロ多め。
本編のようなミステリ系の話を求めていると系統が違って面食らうかも。

「龍とカメレオン」
石山諒・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★ ★
一度短期打ち切りを経験した後人気漫画家となった青年と、画風からストーリーの癖から全てコピーすることのできる新人漫画家の体が入れ替わってしまう。人気漫画家から新人漫画家に戻ってしまった青年は、マンガへの情熱をそのままに再び連載を獲得するために立ち上がる。
とにかく全編通じて熱い作品。話にものすごく吸引力がある。
作者自身が週刊誌で打ち切りになった経験があるからか、打ち切りが決定している作品の制作現場の空気とか、週刊連載を続けていると発生するあるあるとか、その辺りのリアリティがよく伝わってくる。


差し替え作品

「空のグリフターズ~一兆円の詐欺師たち~」
加藤元浩・全6巻・講談社(月刊マガジン)
★ ★ ★
祖父の借金100億円のカタとして生まれ育った島を奪われた少女。その島を取り戻すため、少女は自分に従えば100億円が手に入るという謎の少年と行動を共にすることになる。
1巻の冒頭に少女たちが詐欺師として逮捕されたと報道される場面があり、少女たちの取り調べ場面が時折入りつつ過去が語られていく形で話が進行していく。
詐欺の手法は割と現実感のあるもので、これなら騙されるかも、と思わせてくれる。また、タックスヘイブンなどの現代らしい経済事情の話もあり、ためになる部分もある。
最初から終わりが決まっていた作品なので、最後はきれいに終わっている。ただ、盛り上がりには少し欠けた感じもした。

「化物語」
大暮維人・全22巻・講談社(マガジン)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの小説を漫画化した作品。
吸血鬼の眷属として不老不死になってしまった少年と、様々な怪異に取り憑かれた少女たちの物語。
登場する怪異がどれも個性的で、じっくり読まないと原理がよくわからない部分はあるが、絵がとにかくきれいなので、読む価値は十分にある。
丁寧に原作を追って行ってくれているので、話の時系列はわかりやすい。
原作での「猫物語」まで描かれていて、最後はきれいにまとまっている。

「破天荒遊戯」
遠藤海成・全24巻・エニックス→一迅社(Gファンタジー→ゼロサム)
★ ★ ★
突如父親に家から追い出されて旅に出されてしまった少女が、街で偶然出会った青年と旅をすることになる。
ストーリーのテンポは良く、キャラもよく立っているので楽しく読める。
絵は全編通してあまり安定しないが、読みにくくはない。
話が盛り上がってくるのは10巻以降で、連続して謎解きがある10巻台の吸引力はかなりのもの。
ただ、すべての謎解きを終えずに最終回を迎えてしまい、話として区切りはついたけどモヤモヤする部分は残ってしまった。
posted by minerva at 13:16| Comment(0) | 漫画全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする