元々はPSVR2用のソフトで、全3部作で発売された作品です。それを3作品まとめて後日談をつけてSWITCHでもプレイできるようにしたのが本作です。
過去を書き換える能力を使って事件を解決していく、という設定に惹かれてプレイしてみることにしました。
SWITCH版では元々なかった後日談が追加された、ということで、リメイクされたり他機種に移植されたときにストーリー追加がある作品は当たりが多い、という個人的なジンクスがあったので、プレイしてもいいかな、と思ったというのもありました。
それでプレイし始めたのですが……システムは悪くないけど、とにかくテンポが悪い、と感じました。
その最たる原因がロードの遅さと頻度で、建物や部屋に入るとか階を移動するときに必ずロードが入り、しかも5~6秒待たされるので、プレイしながらイライラすることが多かったです。
また、元々がVR用の作品なので、視点がFPSというのはいいのですが、ダッシュが出来なくて移動がかなりもっさりしていましたし、VR用だからなのか自身の体が手首の先しか表示されていなくて軽くホラーな感じもありました。表示されている手が半透明なのだから、腕も半透明で表示してくれてもいいのに、と思ったりもしました。
その他、ストーリーを進める上で極力迷わないようにしているというか、プレイヤーが次に何をしたらいいのかわからなくならないようになっていて、次に移動すべき場所にマーカーがついているとか、室内で調べ切れていない場合は「まだこの部屋を調べた方がいい」とかのヒントが出る上に、調べられる場所は室内をスキャンすると可視化されたりして、過剰なまでの親切設計になっていて、そこは一長一短ありました。
昔のADVなどは次に何をすればいいのかわからなくて、総当たりで移動できる場所全てに行ってみるとかありましたが、これはそれを極力排除した代わりにプレイヤーに自由がないような、そんな感じがしました。
ただ、がんじがらめの一本道にならないように、精神汚染が進んでいるモブキャラを元に戻すためのミニゲームが用意されていました。
このミニゲームが出来るキャラを探すというのはそれなりに楽しかったのですが、前述のように探索中画面切り替えの度にロードが走るのが苦痛だったり、そもそもミニゲームがリズムゲームと言っておきながら環境音みたいな音楽しか流れなくて、全然音楽に合わせてタイミングを取っている感覚がなかったのは残念でした。
それで、肝心の過去改変で事件を解決する、という部分なのですが……いろいろ微妙でした。
まず、主人公にはサイコメトリ的な能力があって、その能力が発動できるアイテムの持ち主の過去の行動を変えることができるので、結構都合よくいろいろ変えられるなぁ、という印象がありました。
極論すると、殺人犯が殺人をしなかったことにすることも出来るのですが、作中ではさすがにそこまではやっていなくて、でも、だったらむしろなんでそこ改変しないの?、みたいなのもありました。
また、EP1と2は最終的に殺人事件の犯人を特定するために裁判長みたいな人に説明するのが話の山場になるのですが、ものすっっごく簡単にした「逆転裁判」みたいな流れで、ほぼ結論を間違いようがなくて、しかも犯人の身柄を抑えていないので、犯人は特定したけど逃げられている、みたいなことになっていて、非常に中途半端でした。
EP3は既に殺人事件とは関係なくなった謎解きADVみたいになっていましたし、これなら最初から謎解きADVでもよかったのではないか、と。
ストーリーは悪くはないのですが、主要キャラ以外のモブキャラが全て半透明で表示されているので、主要キャラ以外がまるで存在しないみたいな感覚になる上に、登場人物が10人もいないせいで殺人事件が起こっても犯人が分かりやすすぎるとか、ちょっとなぁ……と思う場面が多々ありました。
詳細はネタバレありで語りますが、期待したほどのものではなかったな、と思ってしまいました。
では、ここからネタバレありの感想です。
この作品のストーリーで1番わからなかったのが、変異体ってなんなの?、ということでした。
主人公のハル、幼馴染で一緒に暮らしているマイアとノエルの3人が変異体で、変異体は世界中で迫害を受けている、というのは作中で何度となく語られるのですが、そもそも変異体って何なの?、というのが作中でほぼ語られなくて、その辺りを理解するのが大変でした。
ハルは過去に干渉する能力、マイアは未来を見てそれを現実化する能力、ノエルは他者と夢を共有できる能力があって、それが物語の根幹をなしているわけですが、この辺りの情報は公式ページのキャラ表くらいにしか書いていなくて、作中でもサラッと流されてしまうところでもあり、ここはもう少し丁寧に説明してほしかったです。
また、マイアに関しては序盤から割とメインストーリーに食い込んでくるのですが、ノエルはほぼ絡んでこなくて、EP3になってから行動を共にする辺りでようやくメインキャラっぽく感じました。
それで、話としては12年前と3年前に行った実験の失敗によっていろいろおかしくなっているのだけど、実際に12年前と3年前に何が起こったのか、というのが最終盤まで隠されていて、それが最大の謎となっていました。
その謎というのが、実は既にハルは亡くなっていて、12年前に夢を現実化する実験でハルを実体化させようとした母親が実験を暴走させた結果の事故だった、ということで、ハルが自分の能力で過去改変をして12年前の事故をなかったことにすればすべては解決するけど、ハル自身は消えることになる、という辺りのジレンマにはちょっとグッとくるものがありました。
ただ、夢を現実化するための実験とは言っても、理論的なものは何も説明されず、そういうことをしていたんだよ、ということだけしか言及されなかったり、12年前に実験が行われていた時計塔の鍵がなくなってしまったから時計塔には入れないと言っておきながら、実は時計塔に入るための非常口があったとか、それはちょっとどうなの?、と思う部分はいくつかありました。
全体的にちょっと詰めが甘い感じがしてしまいました。
3年前の実験の後で博士の性格が別人のように変わってしまった、ということについてもほぼ言及がなかったですし。
その他、SWITCH版で追加されたストーリーについては、ノーマルエンドとトゥルーエンドをつなぐ物語が描かれてはいるものの、思いの外短めで(10分ないくらい)、それを見るためだけにVR版のプレイヤーが新しくゲームを買うのは厳しいかな、と感じる内容でした。
内容は悪くはないけど、本当におまけ程度で。
いろいろなゲームの賞を受賞しているという触れ込みもあったのですが、あくまでVR用のゲームとしてであって、それを普通のゲームにしてしまったら大したことなかった、みたいな感じでした。
クリアはしたけれど、全体的にちょっと残念な感じでした。
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