2024年12月03日

岩倉アリア・クリア

あぁ、このADVのストーリーものすごくよかっなたなぁ、と思えるゲームがここ最近なかったので、なんとかして発掘しようとこの作品に手を伸ばしてみました。

1966年の東京を舞台にしたサスペンスアドベンチャー、という触れ込みで、謎の洋館で女中として働くことになった女性、謎の多い洋館に住む少女、洋館を探索しながら物語の真相に迫っていく……という感じのゲームということで、なかなか面白そうだな、と思って。

それでふたを開けてみたら……選択肢によってエンディングが分岐するオーソドックスなADVだったのですが、ストーリーが結構百合感満載で、そこはちょっと求めてなかったなぁ……となってしまいました。
そこまで百合に抵抗があるわけではないのですが、求めている要素でもなかったりするので。

プレイ時間は多分10時間くらいで、そこまで長くはありませんでした。
値段的に定価5000円くらいだったので、妥当なところだとは思うのですが、3000円くらいだともっと手が出しやすいかなぁ、と。

グラフィックはかなりきれいで、全体的に油絵っぽい雰囲気を出していてよかったです。
声優さんたちも軒並み上手かったですし、音楽も最後の盛り上がりのところとかよかったです。

ストーリーについてはネタバレ部分が多いので、以下に書きます。
身寄りのない施設出身の主人公・壱子は中学卒業後に就職するも、セクハラに耐えかねて1年で退職。
恥を忍んで施設に戻って居辛さを感じながら過ごしていたところ、バザーで売っていた絵が認められて岩倉家という旧華族の家で住み込みの女中として働くことになる、というのが導入部でした。

この辺りは、そんなに都合のいいことあるのかな?、という展開の連続で、雇い主の岩倉周はやたらに親切だし、大きな家の女中なのに仕事量はあまり多くないし、ヒロインの岩倉アリアに絵を認めてもらってからは高級画材を揃えて油絵を描かせてもらったりして、なぜここまでに好待遇なのかすごく疑問でした。

また、アリアが不老不死の体だということがわかった後くらいから、壱子がやたらにアリアに嫉妬心をむき出しにしたりしてきて、イライラしてくることが多々ありました。
女中としてやることはやっているものの、一介の女中のくせにいろいろ差し出がましくない?、と感じる場面が多々ありましたし、ウジウジ悩んで見ているこっちがイライラする場面もやはり多く、壱子に対する好感度は非常に低かったです。

ただ、お嬢様キャラのアリアは割といい感じでしたし、仕事仲間となるスイとか、愛憎渦巻く周とか、周りのキャラは個性強めでよかったです。

百合に関しては、壱子とアリアだけでなく、壱子とスイに関しても1つのエンディングとして用意されていたりしていましたし、百合を匂わせるのではなく結構直接的にやりとりするシーンも多めで、百合が好きっていう人にはいい作品かもしれないな、とは思いました。
個人的には、普通に友情物語でよかったのですが。

エンディングは全部で10種類あり、1966年に岩倉家で過ごした結果、1999年の壱子がどうなっているのかが結末となるのですが、バッドエンドだけでなく、それなりの生活を営んでいるノーマルエンド的なものが割と多めで、選択肢を間違ったから死ぬってわけではない終わり方を複数用意していたのはなかなかいいと思えました。
しかしながら、話の途中でエンディングに分岐してしまうと、分岐後のストーリー自体は結構短めだったりするので、謎が謎のまま中途半端に終わってしまう感じはありました。
また、正規ルートだと隠し部屋を見つけたとバレても笑って許してくれる周が、バッドエンドルートだとあっさり解雇してきたりして、そこはちょっと違和感がありました。

それで真エンディングに辿り着くと、一見壱子とアリアの逃避行できれいに終わったに見せかけて、アリアに謎の傷があるというエピローグで終わってしまい、その意味がよくわからなくて、やっぱり考察サイトをまわることになりました。

そうしたら、エピローグで示されたアリアの傷は帝王切開の傷で、アリアは16年前に出産していて、不老不死になったのもこの出産がきっかけ、という説明があって、全く想像していなかったというのもあり、結構ビックリしました。
そういえば、掃除中に謎の臍の緒・赤ちゃん用の靴下・アリアの名前が刻まれたペアリングなどが出てきていたなぁ、と。相手は庭師の宗助で、アリアを慕っている様子がありましたし、宗助の存在意義って何だろうと思っていたらそういうことか、と。
この辺りはもうちょっとわかりやすく説明してほしかったなぁ、と思わないでもなく。

また、さらに突っ込んで、壱子はアリアの娘なのかもしれない、という考察もあるようですが(アリアの出産時期と壱子が施設に預けられた日付が近い、壱子と宗助に絵の才能がある、など)、そこまでいくと偶然が重なりすぎているかなぁ、と思ってしまわないでもなく。

周の目的については作中でちゃんと説明されていて、最終目的は不老不死になってしまったアリアを死なせてあげること、人と人との出会いが人に変化をもたらすという考えから、住み込みの女中を短期間でとっかえひっかえしていて、壱子はたまたまそれに引っかかった、と。やたらと壱子に親切にしたり好待遇にしていたのも、壱子とアリアを引き合わせるために周り固めをしていたからだと考えれば納得できました。
この、人と人との出会いが人に変化をもたらす、というのも、大元はアリアと宗助が出会って出産までいってしまったことで不老不死になってしまったので、逆に不老不死でなくすのも人と人との出会いがきっかけになる、という考えのようでした。

全体的に悪くはなかったのですが、人に勧めるほどではないかなぁ、という感じでしょうか。
posted by minerva at 13:07| Comment(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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