2024年11月06日

コミックスレビュー追加

今回は新作が割と多めでした。

「俺より弱いやつに会いに行く」
押切蓮介・全1巻・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★ ★
作者が「ストリートファイター6」を買ってからランクマに参加し、心折れそうになりながらも少しずつ成長して大会に出るまでの話。
「ストリートファイター6」のことをよく知らなくても、細かく解説が入っているので、何となく知っている程度で結構面白く読める。MRが1200を切ると誰に見られているわけでもないのに後ろ指さされている気持になる、など実際に体験した人でないとわからないエピソードがあるのがいい。

「教育虐待‐子供を壊す「教育熱心」な親たち」
ワダユウキ・新潮社(くらげバンチ)
★ ★ ★ ★
児童虐待が問題になってきているが、教育虐待については熱心な親として見逃されがちになっている。その実態を取材した原作をコミカライズした作品。
本当にこういう親がいるのかな、と思ってしまうくらい内容は結構えぐい。ただ、教育虐待された子はスマホやパソコンを禁止されていたので手紙しか伝達方法を知らないなど、納得できるだけのリアリティもある。
知らず知らず教育虐待に陥ってしまう過程なども丁寧に描かれているので、特に中学受験を経験した人におすすめ。

「京兼家の花嫁」
日野杏寿・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
最強の退魔師の家に生まれ、事実最強と言われている少年に結婚の話が舞い込む。最初は拒否するも、嫁の人柄に惹かれて結婚を決めるが、その過程で嫁が九尾に取り憑かれてしまう。
いい意味で話が二転三転する作品で、読んでいて飽きさせない作りになっている。
絵も上手くて読みやすい。

「コーセルテルの竜術士 子竜冒険記」
石動あゆま・一迅社(ゼロサムオンライン)
★ ★ ★
上記作品の続編。
少年竜となった子竜たちが、いずれ竜の国を出るために、マシェルの元から離れて竜たちだけで旅に出る。
かつて出会った人たちと再会したりするところから、留守番組は留守番組でスポットが当たる話もあり、登場人物たちの行動範囲がいろいろと広がっている。
最終的にマシェルの故郷に行く、という目標があるので、そこまでは描いてほしいところ。

「ごっどくん」
兎乃心・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
子役として活躍する少女は、CM撮影の際に誤って死んでしまうが、ごっどくんという神に助けられで不老不死となり、人の精神を赤ちゃんにまで戻す・記憶そのままに姿だけ赤ちゃんに戻す、という能力を得る。
今まで大人によって人生を左右されてきた少女は、その力で大人に復讐することを決める。
サスペンス風味のある復讐もので、単純に読んでスカッとしたい人向け。
復讐の過程は理に適っていると感じられるものが多く、そこまで都合の良さを感じないのがいい。

「それでも、親を愛する子供たち」
うえのともや・新潮社(くらげバンチ)
★ ★ ★ ★
児童養護施設を舞台に、そこに預けられた子供たちの家庭事情や日常を描いた作品。
ネグレクトなどの虐待を受けて児童養護施設に預けられるも、夜になると親が恋しくて泣く子供など、実態がリアルに描かれている。
コミカライズ版「子供を殺してくださいという親たち」(カ行参照)の原作・作画の2人が原作・構成を担当しているので、この作品が好きなら間違いなく楽しめる。

「願いのアストロ」
和久井健・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
1人の実子と12人の養子を持っていた世剣組の組長が死去。跡目争いが起こる中で地球に隕石が降り注ぎ、生き残った人たちは自分が望んだ特殊能力を得た。13人の子供たちはその能力で誰が跡目を継ぐのかを争い始めた。
「東京リベンジャーズ」の作者による作品なので、戦闘シーンや不良たちの描き方などはやはり上手いな、と感じる。
ただ、登場人物が多いので、それを把握するのが序盤は割と大変。

「方舟」
悠木星人・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★ ★ ★
偶然見つけた地下施設を探検するためにやってきた7人の大学生と、たまたま施設を訪れた3人の親子。
紆余曲折を経て施設で一泊することになったが、突然の地震で施設内に閉じ込められてしまう。脱出するには1人だけ施設に残ってとある装置を動かさないといけないが、施設は浸水によって数日後に水没してしまう。誰が残るのかを決めかねる中で殺人事件が起こり1人の死者が出る。果たして残された9人はどうなるのか、という話。
原作があり、最初から終わりが決まっているため、話の進むペースや伏線等々キッチリしていて、安心して読める。
話の引きもよいので、一気読みに向いている。
唯一、絵がそこまで上手くないのが残念。

「プレゼントでできている」
矢部太郎・全1巻・新潮社(週刊新潮)
★ ★ ★ ★
作者の矢部太郎さんが今までにもらったプレゼントについて描いたエッセイ。
いろいろと珍しいものを貰っているので、それについどう思っていたのかなど、楽しく読める。
作者が「電波少年」でやっていた企画を知っていて、「大家さんと僕」(ア行参照)「僕のお父さん」(ハ行参照)を読んでいるとより楽しめる。大家さんが出てくる度にしんみりする。

「魔王様はあいまで知りたい。」
益田学昭・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
勇者の到着を待つ魔王城にて、両想いだけどお互いにビジネスライクでしか接することのできない魔王と秘書・エレナのやり取りを楽しむ話。
設定は割とよくあるものなのだが、本音と建前の間で揺れ動く2人の様子は素直に楽しめる。
魔王が骨状態であるところがいい。

「魔法使いの嫁 断片集」
ヤマザキコレ・ブシロードワークス(Blu-ray特典小冊子)
★ ★ ★
アニメのBlu-ray特典小冊子に掲載されていた短編を改めて1冊にまとめたもの。
本編の内容を補完する形の話なので、上記作品が好きなら買って損はしない。
ただ、本編を知らないと話としては全く分からなくなってしまう。

「龍神の娘」
越田うめ・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
龍神に育てられた少女が、かつて龍神に育てられた少女の息子と出会い、巨大な呪いを受けてしまう。
その呪いを祓うため、少女は旅立つ。
1巻の巻末に掲載されている0話の出来が非常によく、本編はそれに続く物語となっているので、序盤の引きは非常に良い。
ただ、話の進むペースが遅いので、今後が少し心配。


差し替え作品

「貧乏令嬢の勘違い聖女伝~お金のために努力してたら、王族ハーレムが出来ていました!?~」
遊行寺たま・全4巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
貧乏貴族に生まれ育った少女は、生活苦から冒険者として旅に出るが、実力不足で死亡してしまう。
しかし、目を覚ますと時間が巻き戻っており、もう1度人生をやり直すことになる。
時間が巻き戻る前の失敗を教訓として、新しい人生を謳歌していく話。時間が巻き戻るのは1回だけで、転生とはまたちょっと違うところが上手いと思う。
タイトルにある王族たちはポンポン出てくるわけではないので、話の進み方に都合が良すぎると感じる部分がないのもよい。
絵は上手いので読みやすい。
話としては原作小説1巻分のところで終わっており、今後の展開がいろいろ丸投げ状態だったのは残念。
タイトルにある王族ハーレムが出来上がる前に終わってしまっているのも残念。

「ぼくとミモザの75日」
鬼山瑞樹・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
ヤクザの父親に虐待されて学校にも行けていない少年の下に1人の女性が世話係として現れる。
ミモザと名乗ったその女性は殺し屋で、少年の父親を殺してしまう。ミモザに対して家族的な感情を持ち始めていた少年はミモザと共に逃げ出し、逃亡生活を送ることになる。
逃亡生活中のストーリーは緩急ある作りになっていて、バランスも良い。
最後はいい意味でのバッドエンド仕様で、この作品の終わりに相応しいと感じられた。

「恋愛自壊人形恋するサーティン」
鍵空とみやき・全4巻・ガンガンJOKER(スクウェア・エニックス)
★ ★
人のために作られ、自立思考する人形は恋をすることを禁じられていた。
しかし、人形が最終調整のために通う学校で人形たちは全員誰かに恋をしていた。
序盤はややギャグテイストで進むが、途中から少しずつ不穏な空気になっていく。
ただ、話のピークは1巻の最後で、以降は登場人物たちの自問自答が続いていくだけで、話もあまりきれいには終わっていない。
「ハッピーシュガーライフ」(ハ行参照)を求めると、中盤からちょっと違うと感じるようになってしまう。

「賭ケグルイ双」
斎木桂・全15巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
上記作品のスピンオフ作品。
上記作品は主人公が高校2年生だが、本作はクラスメイトのサブキャラ・早乙女芽亜里が1年生のときの話となっている。
本編主人公の夢子が運にも頼るのに比べて、芽亜里は徹底した合理主義者で確率的に分のいいものを取っていくところが差別化されている。
絵柄も本編に近いものがあり、違和感なく読める。
一応、2年生に続いていく形で完結したが、作中で描かれたのは1年生の7月くらいまでで、9ヶ月分くらいまるっと存在しない。最終決戦の終わり方もちょっと微妙だった。
posted by minerva at 12:15| Comment(0) | 漫画全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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