2024年10月04日

シルバー2425・クリア

推理系ADVで2連続当たりを引けなかったので、もう少しADVを続けてみよう、ということで半額セールのときに買った本作をプレイしてみることにしました。

1999年発売のPSソフト「シルバー事件」のHDリマスター版と続編の「シルバー事件25区」がセットになったもので、時を経てリマスター版が出るくらいなのだからきっと面白いのだろう、という推測で買ってみました。

結論から言うと、雰囲気はすごくいいのだけど話自体はすごくわかりにくかった、です。
事件の核となる謎解きはちゃんと行われていたのですが、いい意味でも悪い意味でもすべてを語っていなくて、これはクリアしたら考察サイト巡りだな……と思っていたら、ほぼ全ての感想・考察サイトで、この作品のシナリオライターはこういう話を書く人だから考察するのは無理、でも雰囲気は最高、みたいなことが書いてありました。
確かにまぁ……ザックリした感想は私もそんな感じでした。
同じ作家さんの小説を読むと、別作品でも、これは○○さんの文章だな、とすぐにわかるタイプで、文章の雰囲気はかなりよかったです。

ということで、まずは「シルバー事件」の話から。
ひとまずプレイし始めたのですが、チュートリアルがあってもコマンドの使い方が全く分からなくて、開始10分でもう止めようかな、とちょっと心が折れかけました。
何かを調べるときは画面上のコマンドCを選んだ上で△ボタンを押す、というのがわかりませんでした。他のコマンドは○ボタンで反応するのに、コマンドCは○ボタンで反応しなくて、どうやって進めるの?、と。

それが理解できた後は比較的サクサク進められたのですが、それにしてもこの画面上のコマンドとコントローラのボタンを組み合わせるやり方とか移動方法がかなり独特で、どうしてこういう作りにしたんだよ……とガックリ来ました。

ゲームの進め方自体はオーソドックスなADVで、指定された場所に行くとイベントが発生、会話を進めると話が進んでいく方式でした。
謎解きも所々にありますが、なんやかんやで第1章に1番謎解きが多く配置されていて、それ以降はほぼ文章を読んでいるだけ、移動もほぼオート、ということで、ゲーム的なやり応えは少なめでした。
ストーリーも1本道で、バッドエンドがいくつかあってもいいのではないかな、と思ったり。死んでもおかしくはない場面はいくつかありましたし。

ただ、システム的な部分では難ありだったものの、ストーリーは前述の通りなかなかよかったです。
20年前に発生した猟奇殺人事件「シルバー事件」の犯人が入院中の病院から脱走、再び殺人事件を起こす……というところから話がスタート。
警察官の主人公の視点で見るTransmitter編をクリアするとフリーライターのモリシマトキオの視点で見るPlacebo編が始まり、同じ事件を別視点で見ることで事件の全容がわかる、という作りになっていました。
それで、話を進めていくとTransmitter編では各事件の7~8割くらいまでしか全容がわからず、残りをPlacebo編で埋めていくような形になっていることがわかり、その辺りの解答の出し方はいいバランスでよかったです。
基本的に会話劇で話が進むのですが、セリフ自体かなり短めなものが多く、いい意味で全て説明してくれるわけでもないので、プレイヤー側に考える余地が生まれていました。
「東京サイコデミック」では背景の説明不足が不満でしたが、本作はむしろ説明しすぎなかったところがよかったという印象で、この辺りはゲームの雰囲気とかいろいろ関係しているのかな、と感じました。

また、登場人物の誰もがかなりキャラ濃いめで、ハードボイルドな世界観もよかったです。
24区という日本の中にある独立国家のような地域の話で、警察組織もちょっと特殊ではあるのですが、古き良き時代の刑事もの、という感じで、こういう世界観って久しぶりだなぁ、と。
クサビさんが結構好きでした。

話としては「シルバー事件」単体で一応完結はしているのですが、6年後設定の「シルバー事件25区」につながる話が一部プロローグのみ収録されているので、これは続編プレイ前提の話なのかな……と感じました。

プレイ時間はおおよそ10時間くらいで、そこまで長くはなかったのですが、最終盤の展開を理解するために脳をフル稼働した感じがしたので、体感時間はもう少し長い感じがしました。

そして始めた「シルバー事件25区」。
こちらはむしろ「シルバー事件」をプレイしていることが前提となっていて、だからこのソフトはセット販売だったのか、と納得した部分がありました。

今作は前作の使いにくかったコマンドが変更され、それなりに使いやすくはなっていたのですが、今度はパスワード入力などに使われる30面ダイスがものすごく使いにくくなっていて地獄でした。
数字入力で使う10面ダイスはまだよかったのですが……
このパスワード入力が作中でかなりの頻度で登場し、ちゃんと謎解きをした上で入力するものもあるのですが、単純に数分前に聞いたパスワードを直接入力するだけという場面も多々あり、この入力本当に必要なの?、と思うことが多かったです。
ゲームらしいと言えばゲームらしいのですが……

ストーリーに関しては、前作を知っていることがまず前提で、固有名詞やら何やらが序盤からわんさか出てきます。
前作と同じく警察組織側から話を見るcorrectness編、裏の組織側から見るmatchmaker編、そしてモリシマトキオの視点で見るPlacebo編、と今作では3方向視点で同じ話を見ることになります。
舞台は、前作の舞台だった24区を更に進化させた形の25区にあるとある巨大マンション。
このマンションでは短期間に10人もの自殺者が出ていて、各話の主人公たちはこの自殺の真相を追っていくことになります。
この自殺者が出ることについての真相を全編通して語る話なので、前作のように各話で話がそれなりに独立していて、最終的にそれがまとまるという展開ではなく、各話謎が謎のまま終わることが多々ありました。
なので、序盤は本当に話がどこに向かおうとしているのかまるで分りませんでした。
それが5章でそれなりのまとまりを見せて話は終わるのですが、謎解きが全部出たはずなのにまだ霧の中にいるような感じで、話として終わってはいるのだけど何かモヤモヤする感覚がありました。
このモヤモヤ感は前作以上でした。


では、ここからネタバレありの感想です。「シルバー事件」では、話の冒頭は前述の通り、かつて世間を震撼させた殺人犯・カムイが脱走して再び事件を起こす、というものだったのですが、実は犯人は殺人犯のかつての相棒だった女性だったという結末でした。これが第1章。
なぜ「シルバー事件」と呼ばれているのか、事件の目的は何だったのか、その辺り全てぼんやりとしか語られないまま話は進んでいき、途中で起こる様々な事件も一見バラバラで、最終章に入るまで、この話はどこへ向かうのか、というのがわかりませんでした。

主人公の素性、なぜもう1人の主人公・モリシマトキオの視点で話が語られるのか、何か特別な存在だったらしいカムイという殺人犯の正体、それが最終章でいい感じに解明されて、この辺りはゲームをプレイする手が止められなくなりました。

話は最終的にカムイの存在について言及されていくところがメインですが、そこに辿り着くまでの話も結構好きでした。
第2章のとある自殺事件の謎解きは、最後の最後で真相が語られるまで犯人が誰なのかわかりませんでしたし、第3章の誘拐事件からの復讐劇は切ない終わり方で結構グッとくるものがありました。
身内に犯人がいるっていうのはベタと言えばベタなのですが、かなり序盤で犯人っぽいヒントが出ていたりして、その辺りの伏線の張り方も上手いな、と感じました。

本編の最後のセリフ「5万円貸してくれ」も最高でした。

そこからの「シルバー事件25区」。
巨大マンションで発生した自殺事件を調べるために自殺者の部屋に入ったら、なんやかんやで謎の敵部隊に襲われて銃撃戦が発生、ここで第1章終了。
この展開を見たとき、これどうやって話理解すればいいかわからないかも、とちょっと心折れかけました。
そこから、25区に住む人たちを統制する地域調整課、実行部隊の郵事連のことなどが出てくるわけですが、この辺りはもう固有名詞が多すぎて、話を理解するのが大変でした。
前作以上に脳をフル回転させないといけなかったです。

ただ、序盤から匂わされていたカムイやアヤメのことは今作ではそこまで重要視されていなくて、カムイの残像みたいなものだけがあるような感じでした。
ここはもっと関連があってもよかったのかな、と思いました。
シロヤブが実はカムイの息子だったとか、重要なところで関連はあるのですが……

で、問題なのはここから。
ここまでのプレイ時間は12時間くらいだったのですが、セーブの出来ない最終章で100個の選択肢が出されて、それぞれ全てのエンディングを見た後で真エンディングが出てくるという展開が発生。
1つのエンディングを見るために5分くらいかかるので、それが100個で8時間オーバー……
これがもう本当に作業でしかなくて、でも真エンディングは見なくちゃ、という使命感だけで乗り越えることになりました。
マルチエンディングにしてもいいんじゃないかって前作のときに思いましたけど……こういうことじゃないんだよ……
いや、本編ストーリー中にバッドエンドが入っていたりはしましたけれども。

最後の最後で気力だけで真エンディングは見ましたが、期待したほどではなく、ちょっとガッカリしました。
前作と同じセリフでの終わりでしたが、それは前作ではクサビが中盤で「給料日前なのに競馬で負けたから5万貸してくれないかな」って同僚に話して断られる前振りがあったからであって、別の人に言われてもなぁ、と。まぁ、前作でその5万貸すのを断った本人のセリフではあるのですが、だからこそ言わないんじゃないかなぁ、とか。

前作だけで終わっておいてもよかったかもな、と思ったりもしました。
posted by minerva at 12:01| Comment(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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