定期的に訪れる”推理物のゲームがプレイしたくなる現象”が発生したので、半額セールをしていた本作をプレイしてみることにしました。
選択肢によって探偵と殺人鬼のどちらかにストーリー分岐する、という部分が面白そうと思って買ってみたわけですが、タイトルに「探偵」と付くのに推理することが一切なかったので、強烈な肩透かしを食らった感じになってしまいました。
主人公の職業が探偵というだけで、内容はオーソドックスなADVでした。
誰が犯人なのかな……とか考えるまでもなく、各章に登場する怪しそうな人がそのまま犯人、というパターンが多かったです。
ボリュームも控えめで、トロコンするまで15時間弱くらいでした。
各章のシナリオはもっと厚くできたと思うのですが……
ストーリー分岐するADVにはもう確実に実装されているフローチャート、オートスキップ機能はそれなりに使えたのですが、フローチャートを開くと必ずスタート地点からになるとか(現在地で開いてほしい)、既読スキップがないとか、その機能は付けておこうよ、という、もうちょっと手を加えてほしかったな、と思うところが多かったです。
バッドエンドに到達すると原因と対策を提示してくれるボーナスシアターのシステムは、「Fate/stay night」「レイジングループ」と同様でしたが、単純に選択ミスで1発アウトのことが多かったので、そこまで必要なのかなぁ、と思う場面が多かったです。
ただ、ボーナスシアターとして1つの話が成立していたので、最終的にはこれはこれでアリかな、とは思えました。
また、立ち絵パターンが少なく、左手のタトゥーとか左胸のバッジが物語のキーとなるのに、安易に絵を反転させているせいで左右逆になる場面が多々あり、内容にそぐわなくなってしまっていたのは残念でした。
その他、声優さんがほぼ全員無名に等しく、演技が棒読みに近い人が何人もいて、せめて主人公とヒロインくらいは有名どころを使ってほしいな、と感じました。
まともに聞けたのがソフィ―、ジャックくらいで、スカーレットはかなり酷かったです。
イベントCGがきれい、最終局面の音楽で1曲だけいい曲があった、というほんの少しの救いはあったのですが、ボリューム、声優、立ち絵、それぞれそこまでお金がかかっていないのではないかと感じる中で、元々の価格がフルプライスで8000円弱というのはちょっと高すぎる印象でした。
このボリュームだったら2000~3000円で適正価格くらいかな、と。
なんだか、「Root Film」をプレイしたときとすごく似通った感覚になりました。
では、ここからストーリーに関するネタバレありの感想です。
とりあえず舞台設定は19世紀のロンドンなわけですが、成功例は少ないものの臓器移植がそれなりに行われていて、心臓を移植すると元の持ち主の意識が現れることが確認されている、という冒頭の世界観からして何かおかしくないか?、という微妙な雰囲気で話はスタートしました。
一応、この世界で暗躍しているグリーンメイスンがものすごく医療に力を入れていて、臓器移植から不老不死の世界を目指しているからこうなっている、という説明はあるのですが……
人の意識は心臓に宿っている、という設定が大前提なので、この設定を飲み込めないともうこの世界にはついていけなくなってしまいます。
それで、主人公のアーサーが心臓移植されたことで殺人鬼の人格が自分の中に宿っていることに気付いて、探偵である自分の意志を強く持つ選択をすれば探偵ルートに、もう1つの殺人鬼の意見に従うような選択をすると殺人鬼ルートに分岐していきます。
各章の8割くらいは探偵・殺人鬼共通で、残りの2割でそれぞれの結末になり、トータルどちらに偏ったのかで独立した最終章に突入するようになっていました。
基本的に探偵ルートでは死者が出ず、殺人鬼ルートでは人が死にまくる展開でした。
これは結構極端で、探偵ルートでは「罪を憎んで人を憎まず」理論で、どんな悪人でも警察に逮捕されるか行方不明になるかで直接死亡したと表現されることは少なく、どうしても死ぬキャラはいるのですが、この展開でよく死ななかったな、という展開が多々あり、最終的にはちょっとご都合主義な終わり方に見えてしまいました。
反対に殺人鬼ルートでは主要キャラがほぼ全滅。とにかく「悪人には死を」ということで、アーサーが殺しまくります。そして、最終章ではシャーロット以外のアーサーの知り合いがほぼ全員死亡、まさかローリィまで殺すとはなぁ……という。アーサーが生きていくために必要なウォルターとソフィは生き残りましたが、生き残った人たちは生き残った人たちで全員闇落ちしていて、ちょっと後味が悪かったです。
まぁ、全てのストーリーを読み終わると、別の世界線の話として、平和な世界でこれまでの登場人物が全員幸せに暮らしている、という話が読めるので、一応救いがあった感じではありましたが。
ラスボスであるグリーンメイスンのボスに関しては、絶対にウォルターだと思っていたというのもあって、ちょっと意外性がありました。
ただ、移植用に心臓を取り出した肉体に別の心臓を移植したら、その心臓の持ち主の意識が宿って肉体復活、というのは現代医療でもちょっと無理では?、という超展開で、いくらフィクションでもこれは……と思ってしまいました。
全体的なシナリオはそこまで悪くはないのですが、いろいろ引っかかるところもあって微妙でした。
2024年08月01日
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